米国でHV車が想像を超える人気

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自動車業界は完全な電気自動車(EV)化の動きが急激に進むが、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車(HV)は思いのほかしぶとく生き残るかもしれない。
ロイターズ論評から抜粋

トヨタ新型プリウス

フォード・モーターは最近、今後5年間でHVの販売を4倍に増やす計画を公表。同社のほかトヨタ自動車やステランティスなど大手が、向こう5年間に米国で生産・販売するHVは数十万台規模に上ると予想されている。

各社は、より持続可能な交通手段を目指しながらも一気に完全EV化する準備が整っていない個人・法人顧客向けに対し、代替手段としてHVを売り込んでいる。

販売店側は「HVは多くの米国人にとって実に役に立つ」と話す「HVは完全EVに代わる素晴らしい選択肢であり、多くの顧客向けに売りやすい」という。

完全EVに対する消費者の需要は予想ほど加速せず、HVへの関心は持ち直しつつある。調査ではEV需要低迷の理由として、初期コストの高さや航続距離への懸念、充電時間の長さ、充電ステーションの不足などが挙げられている。排ガス規制が強化される中、買い手はHVによって、思い切って完全EVの購入へと跳躍することなく、比較的クリーンな車を手に入れられる。

S&Pグローバル・モビリティの推計によると、HVは今後5年間で3倍以上増え、2028年には米国の新車販売に占める割合が24%に達する見込み。完全EVは37%程度、モーターの出力が控えめな「マイルドハイブリッド」を含む内燃機関車の比率は40%近くと予想されている。

S&Pは今年の米国での販売に占める割合は、HVが7%にとどまり、完全EVは9%で、内燃機関車が80%以上を占めると見込んでいる。

歴史的に見ると、米国ではHVが全体の販売に占める割合は10%未満で推移、モデル別ではトヨタのプリウスが長年にわたり人気を維持してきた。トヨタは完全EVへの投資をゆっくりと拡大する中で、HVが同社の長期的なEV化計画において重要な役割を担うとの見解を一貫して示してきた。

直近、HVに積極的な姿勢を示したのがフォードだ。今後5年間にHVの販売台数を4倍に増やすと述べ、アナリストを驚かせた。EVへの移行はダイナミックなものになるが、勝ち組と負け組がはっきりするまで、EV市場は不安定な状態が続くと予想した。

その点、フォードの競合メーカーのうち、ゼネラル・モーターズ(GM)は米国でのHV展開にあまり意欲がないようだ。

一方、ステランティスは先行するトヨタとフォードに追随し、完全EVの販売が2020年台半ば以降に本格化するまで、HVを含むさまざまな選択肢の駆動方式を米消費者に提供すると、調査会社グローバルデータは予測している。

GMは声明で「EVの未来に深く関与し続ける」と表明。「品ぞろえにはHVもあるが、2030年までにポートフォリオをEVに移行することに軸足を置いている」と説明した。

ステランティスによると、HVが現在の販売に占める比率は「ジープ・ラングラー」で36%、「クライスラー・パシフィカ」で19%。広報担当者は、近々発売される完全EVの新モデルとともに「HVには今後も非常に強気だ」と述べた。

トヨタとそのプレミアムブランドであるレクサスは、少なくとも18モデルのHVを販売しており、日本メーカーはこの分野で優位を保っている。

現代自動車と傘下の起亜は7モデルのHV、フォードとリンカーンは6モデルのHVを販売している。ステランティスはわずか3モデルで、GMは今年内に発売予定の「シボレー・コルベット」のHV版のみとなる。

しかし、米国では多くのディーラーでHVの供給が不足したままで販売店側は、EVの充電ステーションがガソリンスタンド並みに増えるまで、EVの普及がバイデン政権の望むレベルに達することはないと考えているとのこと。

「未来がどうなろうと、HVは重要な橋渡し役」と強調。「(HVの在庫は)払底しているが、入荷すれば全部売れるほど購入希望の顧客がいる」と語ったとのこと。

ロイターズ論評から抜粋

“米国でHV車が想像を超える人気” への1件の返信

  1. どうでしょうか?EV、HV、PHEV、FCV、水素エンジン車、e-fuel燃料など様々な脱炭素対策の車技術があります。私的には現状PHEV:プラグインハイブリッドが最適解だと思われますが、多方面での技術革新が進んでおり、どの技術が正解であると一つに絞ることは出来ないと感じています。EVも日々進化していて、トヨタも2027年頃には10分の充電で1200km走行できる全固体電池EVを発売すると発表していますし、水素燃料電池車、水素エンジン車、e-fuel燃料と様々な方法でカーボンニュートラルを達成すべく技術革新が行われております。現在はカーボンニュートラルを命題としたエネルギー革命の真っ只中なのだと思っています。希望を持って見守りたいと思います。皆さんはどうお感じになられましたか?SCN:伊東

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