風力発電

風車は再生可能エネルギーの象徴

風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電。
欧米諸国に比べると導入が遅れているものの、2000年以降導入件数は急激に増え、2016年度末で2,203基、累積設備容量は335.7万kWまで増加しています。
特長

1.陸上と洋上で発電が可能なエネルギー源
日本では陸上風力の設置が進んでいますが、導入可能な適地は限定的であることから、大きな導入ポテンシャルを持つ洋上風力発電も検討・計画されています。
2.経済性を確保できる可能性のあるエネルギー源
風力発電は、大規模に発電できれば発電コストが火力並みであることから、経済性も確保できる可能性のあるエネルギー源です。
3.変換効率が良い
風車の高さやブレード(羽根)によって異なるものの、風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できます。
4.夜間も稼働
太陽光発電と異なり、風さえあれば夜間でも発電できます。

課題

世界では風力発電の発電コストは急速に低下していますが、日本の発電コストは高止まっています。また、系統制約、環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなども課題です。


日本における風力発電導入量の推移

出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ホームページ

事例紹介

1 新青山高原風力発電所
新青山高原風力発電所は、発電出力が8万キロワットで、2017年2月に運転を開始した国内最大級のウィンドファームである。室生赤目国定公園内に立地しており、美しい自然景観への配慮、地域との共存を図りながら運転を行っている。事業地内には「風のめぐみの館」を設置しており、再生可能エネルギーの教育や情報発信にも取り組んでいる。
出典:株式会社 青山高原ウインドファーム

2 ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所
ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所は、2010年6月に運転を始めた洋上風力発電所である。第1、第2の洋上風力発電所があり、合計の発電出力は3万キロワットである。護岸から40~50mの水域に、陸上から風車を建設するという方法により建設コストの低減を実現した。岸から風車までは管理橋が架けられており、陸上と同様にメンテナンスを行うことができる。(そのため、固定価格買取制度(FIT制度)による調達価格は陸上風力の価格が適用されている。)

3 銚子沖と北九州市沖での着床式洋上風力発電設備
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2009年度から2016年度まで民間の発電事業者と共同で銚子沖と北九州市沖に日本初の着床式洋上風力発電設備をそれぞれ1基ずつ設置して運転を行う実証研究事業を実施した(銚子沖 2.4MW、北九州市沖 1.98MW)。
この実証事業により、風況特性等のデータを収集するとともに、着床式洋上風力発電設備の導入普及に必要な技術を確立した。
実証研究事業終了後、これらの着床式洋上風力発電設備は民間の発電事業者に譲渡され、運転している。

4 福島沖での浮体式洋上風力発電システムの実証研究事業

 資源エネルギー庁による委託事業で、福島沖において、世界に先駆けて複数基(3基の風車と変電所)による浮体式洋上風力発電システムの本格的な実証研究を平成23年度から実施中である。
なお、「福島イノベーション・コースト構想」において、新たなエネルギー関連産業の創出として、福島沖の浮体式洋上風力発電の実証研究とその事業化による風力発電関連産業の集積が期待されている。

今注目の洋上風力発電を知る