福岡県飯塚市、住宅街に5万4千枚のソーラーパネルで土むき出し

山を削り、造られた大規模太陽光発電所、福岡県飯塚市

住宅街に面した斜面に広がるソーラーパネル。その数、約5万4千枚。福岡県飯塚市の九州工業大学近くの白旗山。斜面は舗装されておらず、土がむき出しのところもあった。

 「台風や豪雨で、パネルが飛ばされたり土砂が崩れたりしたら死者が出るかもしれない」。40年以上前からこの斜面に面した団地に住む梅田将実さん(71)は、不安そうに語る。自宅を取り囲むようにソーラーパネルが並び、2階からはくぼ地を盛り土した斜面が見える。

 山の一帯には3事業者によるメガソーラーが次々に建ち、計約50ヘクタール。このうち最大なのが、梅田さんの自宅至近のメガソーラーだ。近隣住民らは、近年相次ぐ大型の台風や記録的な豪雨に不安を募らせている。

9月に列島を縦断し、各地に被害をもたらした台風14号が襲来した夜。梅田さんは、斜面と反対側の2階の部屋で床についたが、土砂崩れが心配で眠りにつくことはできなかった。昨年5月の豪雨の際、木々を伐採した斜面から大量の雨水が流れ、近くの道路が冠水していた。

 「滝のように雨水が斜面から流れ、道路がひざ上まで冠水した。生きた心地がしなかった」

 近所では、災害が心配で転居した住民もいるという。「私たちも先立つものがあれば引っ越したいが、そうすることもできない」と話し、住民は不安を募らせている。

朝日新聞デジタル

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