温室効果ガスの実質排出量を2050年にゼロにすることを目指す県は20日、脱炭素社会づくりの方向性を示す「県脱炭素社会推進条例」(仮称)の骨子案を示した。県、県民・事業者の責務をそれぞれ明記し、再生可能エネルギーの導入拡大などを推進する。
再エネ導入拡大推進へ
県は13年度に1012万トンだった温室効果ガスの排出量を再エネ導入や省エネ対策の推進などにより、30年度に506万トンへ半減させ、50年度には実質ゼロにする試算を立てている。一方、昨年の県政アンケートでは約7割が「カーボンニュートラル」の意味を知らないと回答しており、一人一人への意識づけが課題となっている。
骨子案では排出の削減、エネルギーの産出、森林吸収量などを対策の重点ポイントに挙げた。具体的な取り組みとして、公共交通機関の積極的な利用や建築物の高断熱化、再エネの積極利用、森林の整備・保全などを例示した。
骨子案は山形市内で同日開かれた策定検討委員会の初会合で示された。学識経験者や大学生らの委員からは「再エネ導入がゼロカーボンに果たす役割が大きいので、強くアピールすることが重要」「脱炭素の取り組みが個々にどういったメリットがあるのかを数値などで具体的に示すべきだ」といった意見が出された。
県はこの日寄せられた意見も踏まえ、来月予定する第2回会合で条例案の概要を示す方針。条例はパブリックコメントなどを経て、本年度中の策定を目指す。同様の条例は神奈川や京都など8府県が既に施行している。
山形新聞