長野県阿智村でソルガム栽培(バイオ燃料にもなる話題の植物)

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飯田市山本の松下静一さん(81)は、今年初めて阿智村の遊休地でイネ科の穀物「ソルガム」を栽培し、16日に収穫作業をした。栄養豊富で、バイオマス燃料の原料にもなることから、松下さんは「時代に適した食物。栽培を広めて村おこしがしたい」と意気込む。

 ソルガムは一年生で、モロコシやタカキビの他、中国名でコーリャンと呼ばれる。子実が食物となり、アレルゲン物質を含まないためアレルギー体質の人に優しく、ストレスを和らげる効果があるとされるGABAや生活習慣病予防につながるとされるポリフェノールを豊富に含んでいる。

 葉茎はキノコの培地に利用でき、使用済みの培地をメタン発酵してエネルギー化することが可能。発酵残渣などを堆肥にも利用できる。循環型の栽培につながるとして信州大学が研究に取り組み、北信地方で栽培を進めている。

 松下さんは5歳まで旧満州(中国東北部)で育ち、コーリャンや稗(ひえ)、粟を食べていた。重機メーカーに勤務し、エネルギーに関心を持っていたところ、30年ほど前に本でソルガムがエネルギーになることを知り、興味を抱いた。北信地方で栽培していることを知り、自分も挑戦しようと今年初めて栽培した。

駒場の遊休地約1000平方メートルを活用。5月に種まきし、7月に花が咲いた。葉茎はトウモロコシに似ており、2メートルほどに成長。先端に約3ミリの実が多数付いた穂が立った。花が咲いて45日で収穫した。追肥をしたのみで、消毒はしなかった。

 16日は松下さんら4人で作業。はさみで先端の穂を切り、次々とコンテナに入れていった。1日かけて軽トラック8台分を収穫した。

 松下さんは「初めてだったが実がなって良かった」と笑顔。「手間が掛からない上に、栽培期間が短く、秋、冬野菜の後にも栽培できるため、遊休地の活用や農家の収入増につながる」とし、「時代に合った食物。後継者を見つけてこの地域にもソルガムの栽培を広めたい」と語った。

南信州新聞

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