出光興産ら4社/脱炭素でアンモニア供給/国内初の年間100万t体制

出光興産、東ソー、トクヤマ、日本ゼオンの4社は、経済産業省・資源エネルギー庁の「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(コンビナートの水素、燃料アンモニア等供給拠点化に向けた支援事業)」に共同提案した「周南コンビナートアンモニア供給拠点整備基本検討事業」の補助事業者に採択された。各社は、山口県の周南地区で国内初の年間100万t超のカーボンフリーアンモニアサプライチェーンの構築検討を開始する。 同事業は、2030年までに周南コンビナートでの年間100万t超のカーボンフリーアンモニア供給体制を確立することが狙い。出光興産徳山事業所の貯蔵施設を周南コンビナートのアンモニアの共通供給拠点として整備し、周南コンビナート各社(需要側)へのアンモニア供給インフラ検討を行う。
 今後は、4社が事業をベースに実装置でのアンモニア燃焼実証などのさまざまな取り組みにより、周南地区でのアンモニアサプライチェーンの構築を推進し、脱炭素社会の実現に貢献する方針だ。
 周南コンビナートは、化学原材料や化学製品、鉄鋼・セメント・ファインケミカルなど多彩で高付加価値の素材を生産・供給している。今後、CO2排出量の抑制が大きな課題となる中、ことし1月には周南市と化学工学会が「周南コンビナート脱炭素推進協議会」を発足し、オブザーバーとして経済産業省、国土交通省、環境省、林野庁、山口県、学識者を迎え、50年のカーボンニュートラルコンビナート(CNK)の実現を目指し、具体策の議論を進めてきた。
 この中で、CNK実現策の一つとしてアンモニアサプライチェーン構築に必要な共用インフラ整備の検討を4社共同で推進することに合意し、今回の提案に至った。

建設通信新聞

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