脱炭素の潮流が伝統の夏祭りにも――。8月2~7日に青森市で開催される「青森ねぶた祭」で、太陽光由来の電源を活用したねぶたが初めて出陣する。
このねぶたを運行するのは1965年から参加している日立製作所。同社のねぶたは従来、灯籠(とうろう)や広告のLED照明の電源としてディーゼル発電機を搭載していたが、今年は昼間に太陽光発電による電力で充電した家庭用蓄電池を使う。
蓄電池の容量は3・6万ワット時で、夜間にねぶたを引き回す約2・5時間分の照明をまかなえるという。前回2019年の参加時のディーゼル発電機の使用実績から試算すると、同社が夜間に運行を予定する4日間で、二酸化炭素(CO2)を最大170キロ削減できる見通しだ。ただし、天気が悪ければ、太陽光由来の電力が使えない可能性はある。
同社の担当者は「CO2削減効果も微々たるものだが、国内外から多くの観光客が訪れる伝統的な祭りで、CO2を出すわけにはいかないという思いで、脱炭素ねぶたの制作に挑戦した」と話す。
毎日新聞