三菱重工、世界初の水素製造から発電利用まで一貫実証可能「高砂水素パーク」本格稼働

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◆ 水電解装置による水素製造を開始
◆ 水素製造・貯蔵・利用の各設備が連係稼働、次世代水素製造技術も順次拡充へ
◆ 水素焚きガスタービンの商用化を加速し、カーボンニュートラル社会の早期実現に貢献

高砂水素パーク

三菱重工業は、水素を燃料とする水素ガスタービンの早期商用化に向け、高砂製作所(兵庫県高砂市)で整備を進めてきた水素の製造から発電までにわたる技術を世界で初めて一貫して検証できる「高砂水素パーク」の本格稼働を、このほど開始しました。同パーク内で水電解装置による水素の製造を開始したもので、今後は、次世代水素製造技術の導入を順次拡充するとともに、ガスタービン実機での水素混焼・専焼(100%水素)の実証を行うことで、製品信頼性の向上をはかるとのこと。

高砂水素パークは、水素の製造・貯蔵・利用の3つの機能を持つエリアに分かれています。この度「製造」エリアに、世界最大級の水素製造能力1,100Nm3/hを持つ、ノルウェーのハイドロジェンプロ社(HydrogenPro AS)製アルカリ水電解装置を設置、稼働を開始しました。同設備で製造した水素は、「貯蔵」エリアに設置した総容量3万9,000Nm3の水素貯蔵設備に貯蔵します。また、水素燃焼の実機検証は、「利用」エリアにある実証設備複合サイクル発電所(通称:第二T地点)で大型のJAC形ガスタービン(45万kWクラス)、および燃焼試験設備で圧縮機駆動用に設置された中小型のH-25形ガスタービン(4万kWクラス)を使って実施するとのこと。

ハイドロジェンプロ社(HydrogenPro AS)製のアルカリ水電解装置のセルスタック

年内には第二T地点でJAC形ガスタービンを利用して、実際の発電所と同じく電力網に接続された状態で水素30%混焼発電(注1)の検証を行います。さらに2024年には、H-25形ガスタービンで水素専焼実機実証を計画しています
水素製造では、自社技術により開発を進めている固体酸化物電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)、アニオン交換膜(AEM:Anion Exchange Membrane)水電解、メタンを水素と固体炭素に熱分解することでCO2を出さずに水素を得る次世代ターコイズ水素製造技術についても、検証および実証を順次行います。これらの自社技術製品は、長崎カーボンニュートラルパークで要素技術を開発した上で、高砂水素パークにおいて商用化に向け水素製造実証を行う計画とのこと。

三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成を掲げる「MISSION NET ZERO」に基づき、「既存インフラの脱炭素化」「水素エコシステムの実現」「CO2エコシステムの実現」の3つの取り組みを軸に、グループの成長エンジンであるエナジートランジションを推進しています。このうち「水素エコシステムの実現」に向けては、高砂水素パークを活用しながら、水素製造・発電技術の開発および実機検証を加速し、信頼性の高い製品を通じて、世界の電力の安定供給とカーボンニュートラル社会の早期実現に向けて貢献するとのこと。

三菱重工ニュースリリースから抜粋

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