脱炭素化とエネ安保で注目のヒートポンプ、環境熱利用で自給率向上に寄与

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世界におけるヒートポンプ給湯器の市場動向

脱炭素化とエネルギー安全保障の両立が求められる中、大気や地中など存在する熱(環境熱)を集めて、給湯などに利用する「ヒートポンプ」が国内外で脚光を浴びている。〝純国産エネルギー〟である環境熱の利用が増えれば、省エネやエネルギー自給率向上への貢献も期待される。日本企業が強みを持つ分野で、政府も普及や活用を後押ししていく構えだ。

ヒートポンプは環境熱を電力で集め、圧縮・移動させて使う仕組みだ。少ない電力でその数倍の熱エネルギーを利用できるのが特徴で、主に給湯器や冬場の暖房などに使われている。

海外では、ロシアのウクライナ侵略に伴い、露産天然ガス依存からの脱却を目指す欧州や、脱炭素化に向けた政策面の後押しがある中国を中心に需要が高まっている。民間調査会社の富士経済は、2022年に1053億円だった業務用ヒートポンプ給湯器の世界市場は、40年に約17・6倍の1兆8513億円に拡大すると予測している。住宅向けヒートポンプ式給湯器の世界市場も40年には22年の約2倍の市場規模に拡大すると見込む。

大手電力各社で作る電気事業連合会も電力の安定供給や脱炭素化の観点から普及に力を入れる。国内では平成23年の東日本大震災以降、原発の稼働減に伴ってエネルギー自給率が低下。経済産業省の資料では震災前の22年度に20・2%あった自給率は、令和2年度は11・3%まで下がったのだという。

国内エネルギー自給率も、仮にヒートポンプによる環境熱の利用分を加えれば、4・5ポイント~7・3ポイント自給率が向上するという試算もある。担当者は「日本でもヒートポンプに対する抜本的な政策支援が必要」と指摘する。

ヒートポンプは、ダイキン工業やパナソニックなど日系メーカーが強く、欧州などで投資拡大を打ち出している。政府も8月23日のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、中長期の脱炭素化を進める観点から、ヒートポンプの導入支援などに1484億円の予算を要求する方針を公表。岸田文雄首相も同会議で「家計の負担減につながるヒートポンプなど暮らし関連部門のGXに、思い切った支援を速やかに具体化する」と強調しているとのこと。

産経新聞記事から抜粋

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