松江、温泉街が廃熱活用で脱炭素、CO2排出実質ゼロ観光地へ

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電動化が予定されている堀川遊覧船

松江市は脱炭素先行地域に選定された。脱炭素先行地域は、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向けて、30年度までに全国に先駆けて電力消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにすることを目指すモデル地域である。

松江市は「『国際文化観光都市・松江』の脱炭素化による魅力的なまちづくり~カーボンニュートラル観光~」をテーマに掲げる。松江城エリアや玉造温泉エリアなど主要観光地4カ所で、▽再生可能エネルギー100%由来の電力を供給▽温泉宿泊施設の給湯機器を省エネ仕様に転換▽温泉廃熱から熱を回収し給湯などの熱源に活用▽世界中から人が集まる持続可能な観光の実現――などを目指して各事業に取り組む計画とのこと。

市有遊休地に太陽光発電を導入し、廃棄物バイオマス発電で得た電気を観光エリアへ送ることなどで再エネ100%由来の電力供給を目指す。また、温泉地には高効率ヒートポンプ給湯システムと温泉排水熱利用システムを導入するとのこと。

松江城の周囲を巡り城下町の風景などを船に揺られながら楽しめる「堀川遊覧船」も、脱炭素を目指す取り組みの一つ。ガソリンが必要な現行の小型船を「電動化」することも計画している。堀川遊覧船管理事務所の吉岡英志所長は「事業者として脱炭素に取り組むのは世の定め。歴史と自然があり、環境にも優しいとなれば観光客も振り向いてくれるのではないか」と観光への波及効果に期待しているとのこと。

市は第2回の募集で、公共施設メインの脱炭素化で応募していたが落選。市環境エネルギー部の余村公彦次長は脱炭素に取り組むエリアを観光地に設定したとして、「今回は観光にスポットを当てて、温泉の熱を活用するなど松江らしさを出した」と胸を張る。上定昭仁市長は25日にあった定例記者会見で「国際文化観光都市の価値を高めていくにあたり、SDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラルは世界と勝負する上で欠かせないファクター。取り組みが進んでいる観光地だと大きな声でアピールしていきたい」とのこと。

毎日新聞記事から抜粋

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