トヨタ、ヤマト運輸と電池交換式EV開発検討

トヨタ自動車が主導し、いすゞ自動車などが参加している商用車の技術開発会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」は27日、電池交換式の商用電気自動車(EV)の企画開発を進めると発表した。電池は規格化・実用化に向け、ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸と開発を検討する。

商用EVは従来のガソリン車やディーゼル車に比べ、長い充電時間を要するほか、各車両の充電タイミングが集中すると運送にかかる時間がかさむという課題がある。取り外し・持ち運びできる充電済みの車載電池を使ったEVであれば、充電時間を節約でき、走行距離に必要十分な容量の電池を使うことでEVの導入コストも抑制できる。

電池交換式の商用EVの開発スケジュールなど詳細は未定だが、CJPTは17日に発表した福島県や東京都で来年1月から始める物流効率化に向けた社会実装プロジェクトで生かしたい考え。ヤマトも同日発表した群馬県内で2030年度までを予定しているEVによる集配とエネルギー利用を最適化するプロジェクトでの導入を目指す。

カートリッジ式バッテリー交換イメージ

着脱・可搬型のカートリッジ式バッテリーが有する以下のような利点を踏まえ、実用化に向けた検討を開始することを発表した。

①BEV導入コスト低減 :搭載電池を走行距離に必要十分な容量に絞り電池総量を削減
②ドライバー充電負担軽減 :充電インフラ設置に関する負担を軽減
③物流ダウンタイム削減 :電池交換により、車両への充電時間を削減
④電力需要平準化 :車両の稼働中にも交換用電池を充電することで電力ピークを低減

CJPTは21年4月にトヨタ、いすゞ、日野自動車が設立した共同出資会社で、同年7月にはスズキとダイハツ工業も参画。トヨタが60%を、日野、いすゞ、スズキ、ダイハツが10%ずつ出資している。

日本経済新聞

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