グリーン水素で電力需給調整、山梨や東電など実験

山梨県や東京電力エナジーパートナーなどがグリーン水素で電力需給調整の実証試験をする米倉山電力貯蔵技術研究サイト

山梨県と東京電力エナジーパートナー(EP)などは甲府市にある米倉山電力貯蔵技術研究サイトのグリーン水素製造装置「P2G(パワー・ツー・ガス)システム」を使って、電力ネットワーク内の需給バランスを調整する実証試験を始めると発表した。国の電力調整市場における適合性などを調べる。長崎幸太郎知事は「再生可能エネルギーを主力電源にする扉を開く鍵になる」と強調した。

太陽光発電で水素を製造する米倉山のP2Gは固体高分子形という水電解装置を使っていて、出力増減の指令に秒単位で応答する特長があるという。IoT機器などと組み合わせて制御することにより、電力ネットワーク内で常に変動する需給バランスを平準に調整する役割が期待されている。

再生エネは発電量が不安定なため、九州などでは太陽光発電量が多すぎるときに出力制御が行われている。長崎氏は「やまなしモデルのP2Gは再生エネの余剰電力を使って水素を作れる。出力制御の課題を解決し、再生エネの主力電源化に貢献できることを証明したい」と語った。

P2Gで作った水素は工場のボイラーなどで利用でき、重油など化石燃料の使用も減らせる利点がある。秋本社長は「水素技術の開発は国の総力を挙げて取り組む必要がある。(P2Gなど)需要制御が広がれば電力の安定供給に貢献できる」と指摘。市村社長は「電力の地産地消につながる」と語った。

日本経済新聞

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