日本の衛星でモンゴルのCO2排出量を世界初の検証成功

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温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の後継機「GOSAT-GW」イメージ画像

日本の研究チームなどは、モンゴル政府の計算した二酸化炭素(CO2)排出量の正確性を、日本の人工衛星「いぶき」の観測データを使って検証することに成功した。世界初の取り組みで、モンゴル政府はこうした経緯を盛り込んだ報告書を2023年11月に国連へ提出している。

いぶきは、環境省や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが開発。宇宙から大気中の温室ガス濃度を高精度かつ広範囲で測定する。1機目は2009年に打ち上げられ、現在は18年から運用中の2機目と共に観測を続けている。3機目の打ち上げも計画されている。
モンゴル政府が提供したエネルギー部門のC02排出量と、いぶきの観測データを用いて日本チームが推計した同部門の排出量を比較したところ、差は1.5%と小さかった。検証に関わった中央大学の渡辺正孝教授(地球環境学)は「非常に高い精度でモンゴルの排出量を検証できた」と話す。
モンゴルのバトジャルガル前気候変動特使も取材に応じ、「衛星の観測データは気候変動の要因をモニタリングするのに有用。地理的条件が似た他の国でも活用できる」と評価している。

日本政府は途上国の温室ガス排出量の測定を支援している。委託先の研究チームはモンゴルやウズベキスタン、カザフスタンと協力覚書を交わし、いぶきの観測データを提供している。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の会場内で、この研究チームがタジキスタンと覚書を締結した。日本は協力関係をインドやタイにも広げる意向とのこと。

JIJICOMニュースから抜粋

“日本の衛星でモンゴルのCO2排出量を世界初の検証成功” への1件の返信

  1. この成果は素晴らしいです!先般CO28で中国のCO2排出量が1.5倍から最大3倍 であることを同衛星の観測から判明したことを日本が報告したばかりです。
    今までが各国のCO2排出量は自己申告で集計されており、かなり恣意的で非科学的です。なぜ、このような科学的で客観的なデータ収集を今まで進めなかったのか疑問でなりません。
    このようにCO2の濃度を科学的かつ客観的に計測できるようになると、進めているカーボンニュートラル活動の進捗状況や効果が的確にそして正確に明らかにされることでしょう。報告を改竄する国の状況を詳らかに出来ますし、カーボンオフセットや合成燃料、メタネーションが本当の意味でCO2削減に効果があるのか検証できますので、このような科学的な検証方法が進むことは歓迎すべきことだと思います。皆さんはどうお感じになられましたか?SCN:伊東

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