水素自動車で移動販売(福島_双葉・浪江)イオンとトヨタ

福島県の双葉町と浪江町、イオン東北、トヨタ自動車は、水素で走る燃料電池車(FCV)を活用し、両町内で食品や日用品の移動販売を始める。浪江町で10日、双葉町で13日から移動販売車が始動する。FCVを使った移動販売は世界初。東京電力福島第1原発事故の影響で近くに店が少ない中、帰還した町民や移住者の買い物環境を支え、安心して暮らせる地域につなげる。

4者が31日、移動販売に関する協定を結んだ。避難指示が解除された地域9カ所と、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)にあるJR双葉駅前の計10カ所を巡る。

車内に商品棚を設け、冷蔵、冷凍、保温の各設備も導入し、食料品や日用品など最大500品目を扱う。

浪江町では来春以降、復興拠点の整備が進む津島、室原、末森地区の3カ所に拡大する。イオン浪江店を拠点に各地域を巡回し、事業を通じて地域コミュニティーの再生も図る考えだ。

移動販売車はトヨタが特別開発した。ワゴン車に、FCVの「MIRAI(ミライ)」の燃料電池システムを搭載し、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すカーボンニュートラル社会の実現を目指す。水素は浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドなどから調達する。

双葉町で31日に行われた締結式では伊沢史朗双葉町長、吉田数博浪江町長、イオン東北の辻雅信社長、トヨタ自動車の浜村芳彦トヨタZEVファクトリーFC事業領域統括部長が協定書を取り交わした。伊沢町長は「現在スーパーやコンビニがなく、町内の買い物環境整備に向けた第一歩だ」と歓迎し、吉田町長は「中山間地域の津島地区での移動販売は期待が大きい。生活の身近な所で水素の利活用を感じてほしい」と期待した。辻社長は「町民の帰還に貢献できるサービスの提供に努めたい」と語った。

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