太陽光発電衛星から地球への電力伝送に成功

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宇宙太陽光発電イメージ

軌道上に打ち上げられた宇宙太陽光発電・無線電力伝送機器のプロトタイプが稼働し、宇宙空間でのワイヤレス送電および電力を地球に照射する実験が成功しました。

2023年1月、カリフォルニア工科大学のチームが作り上げた機械ユニット「SSPD」がSpaceXのロケットに搭載されて打ち上げられました。

SSPDには重要な3つの機器が搭載されていました。1つは折りたたんだ約1.8m四方の構造物(ソーラーパネル等)を展開するための機構「DOLCE(Deployable on-Orbit UltraLight Composite Experiment:軌道上展開型超軽量複合材料実験機)」、もう1つは32種類の太陽電池から宇宙空間に最も適したものを見つけるためのユニット「ALBA」、そして最後の1つが、今回実験に成功した「MAPLE(Microwave Array for Power-transfer Low-orbit Experiment:電力伝送型低軌道実験用マイクロ波アレー)」です。

MAPLEは電力をマイクロ波に変換して遠隔地に送信する機構を備えたユニットです。波と波がぶつかり合ったときに生じる「干渉」を利用して狙い通りの場所にエネルギーの大部分を集中させることが可能なもので、可動部品なしで焦点と方向を変える機能を実現しています

今回宇宙で行われた実験では、MAPLEに搭載された電波送信機(TRANSMITTERS)により太陽エネルギーが直流電気に変換され、約30cm離れた反対側にある受信機(RECEIVERS)に到達した後、電力が受信機に接続されたLEDに伝わり、LEDが点灯したことが確認されました。

実験の様子

また、カリフォルニア工科大学キャンパスの屋上に設置した受信機でMAPLEからの信号を受け取ることにも成功しており、これにより宇宙空間に設置した送受信機間での信号伝達および宇宙から地球に向けた信号送信が可能なことが実証されました。

チームを率いるアリ・ハジミリ教授は「インターネットが情報へのアクセスをすべての人々にもたらしたように、無線エネルギー伝送がすべての人々にエネルギーをもたらせるようになることを期待しています。実現すれば、電力を受け取るための伝送インフラが不要になり、戦争や自然災害で荒廃した地域にもエネルギーを送ることができるのです」と述べたとのこと。

Gigazine記事より抜粋

 

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