CO2回収に脚光、課題も山積だが米政府、強く後押し

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スイスの「直接空気回収(DAC)」施設

米政府はこの技術の普及を先導しようと、DACによってCO2を回収するプラントの建設に35億ドルの助成金を交付する制度を設け、税控除枠をトン当たり180ドルに拡大した。

こうした公的支援の規模は他の国や地域とは桁違いで、ボストン・コンサルティング・グループの見積もりでは、米政府が電気自動車(EV)の需要促進に振り向けた120億ドルの支出にも匹敵する。例えば英国がDACの研究開発に約束しているのは最大でも1億ポンドに過ぎない。

この制度の応募入札期限は3月13日だったが、米政府や幾つかの企業はまだ申し込み状況の詳細を公表しておらず、ロイターによる取材でこのほど初めて全体像の大部分が明らかになった。米エネルギー省は、夏にも落札者を発表する見通しだ。

いずれにしても気候変動の深刻化や、温室効果ガス排出量削減の取り組みが不十分にとどまっている実情により、CO2の回収が最も喫緊の課題として浮上してきた。国連の科学者は、世界の平均気温上昇幅を産業革命前に比べて摂氏1.5度未満に抑えるという国際的な目標達成のためには、大気中から年間で数十億トンものCO2を取り除く必要があると試算している。

その大半は植樹拡大や、土壌のCO2吸収力向上といった対策で賄われるとしても、DACのような恒久的な回収手段も不可欠になる。

ただDACを巡る課題は山積している。

現在まで世界最大規模のプラントが年間に回収できるCO2はわずか4000トンで、費用は高い。専門的な人材の確保は難しく、クレジットの買い手候補となる企業はおおむね様子見姿勢のまま。この分野での石油企業が果たす役割には疑念が持たれ、プラント建設に際しては今まで巨大なエネルギープロジェクトで痛手を受けてきた地域社会の支援も得ることが必須だ。さらにCO2をずっと貯留し続けなければならない。

それでも米政府は、助成金制度を「てこ」にして4カ所のプラント建設を後押ししたい考え。また州政府や連邦政府、企業、投資家など20人の関係者に話を聞いたところでは、第1次ラウンドにおいて少なくとも9件の応募があった。

この制度は3段階、つまり事業可能性調査に300万ドル、設計に関する調査に1250万ドル、資材調達と完成、稼働の局面が整っているプロジェクト向けに最大5億ドルがそれぞれ提供される。

DAC分野でこれまで最も積極的に動いている企業の1つがスイスのスタートアップ、クライムワークスだ。既に8億ドル強の資金を調達し、シンガポールの政府系ファンドGICが出資している。

今回の米政府の入札では、ルイジアナ、カリフォルニア、ノースダコタという3カ所のプラント建設に応募。クリストフ・ゲバルト最高経営責任者(CEO)は、どのプラントも米政府の目標である年間100万トンの回収能力に達する可能性を秘めているとの見方を示した。

クライムワークスは現在2桁台前半の従業員を向こう1年半で100人余りに増強する方針で、落札できた場合は2030年までにこの3カ所のプラントで3500人の直接雇用と数万人の間接雇用を創出できるという。

ロイター報道から抜粋

 

 

 

 

 

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