世界が欲しがる「グリーン水素」先行するトヨタら日本企業はチャンス?

現在作成中の今月3月の月次レポートの特集は「グリーン水素」としています。脱炭素の再注目アイテムとして水素があがっています。水素ビジネスは130兆円市場規模とも言われており、先行している日本にチャンスと言われていますが、はたしてどうなんでしょうか?以下説明文書は、いま大注目の「グリーン水素」の各記事から抜粋しました 。SCN:伊東

グリーンス水素とは?最近では原発から製造する水素をイエロー水素と言ったり、ホワイトやピンク水素なども出てきていて、国際的に認知された学術的な分類ではありません。

燃やしてもCO2を発生しないクリーンエネルギーとして知られている水素。しかしカーボンニュートラルの実現に向けては、「利用」する時だけでなく、「製造」する過程においてもCO2を排出させない仕組みが必要である。そこで近年世界から注目を集めているのがグリーン水素だ。グリーン水素とは、再生可能エネルギー由来の電気を使って得られた水素を言う。ここでは政府の「水素基本戦略」や「グリーン成長戦略」を踏まえながら、他の水素との違いや社会実装の状況について、グリーン水素について見てみたい。

グリーン水素のメリット4つ
グリーン水素を製造・利用することは、主に以下のようなメリットが挙げられる。

・CO2が排出されない
・季節や時間帯によって多く生み出されてしまう電気の有効利用
・電気から水素への変換で運搬が可能
・エネルギー自給率の上昇

CO2が排出されないことについては先にも述べたので、ここではそれ以外の3つのメリットについて説明する。

(1)まず、再エネは季節や時間帯によって電気を多く生み出てしまうことがあり、そのため使い切れない電気が発生する、という課題がある。しかし、この余剰の電気を水素製造に活用することで、エネルギーの有効利用が可能となる。

(2)次に、電気を水素に変換して貯蔵すれば、持ち運びが可能となる。このため、発電所から離れた場所へ運搬できるようになる。

(3)また、化石燃料に乏しい日本において、グリーン水素を自国で製造できるようになれば、エネルギー自給率の上昇が期待できる。なお、日本のエネルギー自給率は12.1%(2019年度)と、OECD(経済協力開発機構)36カ国中で35位とかなり低い水準にあり、グリーン水素が救世主となり得るだろう。

◆グリーン水素の課題

国際エネルギー機関(IEA)によると、現在の水素のコスト(1キログラム当たり)は、グリーン水素が3~8ドル、ブルー水素1~2ドル、グレー水素0.5~1.7ドルとされている。現状では、グリーン水素のコストに課題が残るが、今後は価格が下がっていくと予想されている。

水素基本戦略では、「低コストな水素利用の実現」として、海外の安価な未利用エネルギーとCCSを組み合わせる水素(ブルー水素)、または安価な再エネから作られる水素(グリーン水素)を大量調達するアプローチを基本的な考え方としている。

そのためには、水素を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」まで一気通貫した国際的なサプライチェーンの構築を進めなければならない。

タイトルでも触れたように、トヨタ自動車は早くからFCV(水素燃料自動車)に着目し、最近は水素エンジン車を開発するなど技術的に先行しており、NEDOや各研究機関、それと多くの日本企業での水素関連技術や運用は世界より一歩進んでいる感があります。特に各商社が進める海外でのグリーン水素製造プロジェクトや川崎重工や岩谷産業が進める運搬、貯蔵する仕組みは先見的でかつ現実的であり、目を見張るものがあります。
先にも述べたように今月2023年3月のSCN月次レポートで特集するので、詳しくはそちらの資料を参照ください。

SCN:伊東

 

 

 

 

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