クルマや重機にも使え、発電機としても使える。ホンダ汎用性のある水素燃料電池を3分の1のコストで

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ホンダが開発した水素燃料電池は、複数機並列で接続した高い出力で重機や大型車を動かすことも可能になるそうだ

ホンダは、お祭りの屋台で使われるような小さな発電機から、原付バイクや大型バイク、軽自動車やレーシングカー、さらに言えば航空機まで幅広く手掛けている。そして、これらに使われているエンジンはほとんどが自社製だ。また、さまざまなメーカーにパワーユニットも多数供給している。

こういった事情もあり、ホンダは「世界イチのエンジンサプライヤー」としても世間で広く認知されている。数で言うと、年間3000万台ものパワーユニットを世に送り出しているとのことだ。

同社は、2050年までにカーボンニュートラルを実現すると発表していることもあり、年々「脱炭素化」へ向けた動きを加速させているが、今回の発表もその一環だ。カーボンニュートラルを現実のものとするために、今回ホンダは電気に加えて水素エネルギーを組み合わせるという方針をとったという。ちなみに、今後の水素に関わるプロジェクトの舵取りをする「水素事業開発部」というのを、ホンダは2022年4月に新設しているとのこと。

クルマの世界で「水素」と聞くと、真っ先に我々が思い浮かべるのはトヨタのMIRAIではないだろうか。しかし、ホンダも2016年にリース販売という形で「クラリティ フューエルセル」を市販化しており、水素を使った燃料電池車を手掛けていた経験がある。もっと言うと、ホンダは今から25年前の1998年から水素の研究を行なっており、2002年にはFCXというモデルを世に送り出しているのだ。ホンダと水素の繋がりは、じつはかなり長い歴史がある。

そんなノウハウを活かして今回発表したのが、次世代燃料電池システムだ。写真のような白い箱状の物がパワーユニットとなっており、これをさまざまな乗り物や機器に搭載することで、燃料電池を使うことができるというもの。

まずこのパワーユニットだが、前述した「クラリティ フューエルセル」に搭載されたユニットと比較すると

・3分の1という低コスト化を実現
・材料や制御の見直しによって耐久性は2倍以上
・耐低温性向上(–30度低温始動時間大幅低減)

という3つの要素が大きく改良されている。

最大の特徴は「出力」

カーボンニュートラルの実現は乗用車だけでは不可能で、物流を支えるトラックや建設関係の重機にもその範囲は及ぶ。しかし、これらのように、重量があり、同時に大きな出力が必要な乗り物たちは、バッテリーで動かすのは実際のところあまり現実的ではないと言われている。これらの乗り物や重機を電気で動かすことができたとしても、犠牲として稼働時間が制限される(出力を上げるとその分多くの電力を消費するため)。そのネガを解消するために、今度はバッテリーを多く積むとなれば、その分重くなり稼働効率が落ちたり、バッテリーを充電する時間が長くなったりするので悪循環となる。

一方で、今回ホンダが発表したこのパワーユニットであれば、並列に何機も繋ぐことでより高い出力を得ることができるという夢のようなシステムになっているのが特徴だ。また、水素の充填ですぐに稼働できるので、EVのように長い充電時間が不要というのも大きなメリット。長年の燃料電池に対する研究とエンジン屋のホンダが持つ技術があってこそできた代物と言えよう。

また、パワーユニットとしてだけでなく、発電機として使用することもできる汎用性の高さが魅力で、実際にホンダ社内の一部研究機関では非常用電源としてこのユニットを稼働させることが決まっている。

そのほか、いすゞや中国の東風汽車(ドンフォン・モーター)と連携して、大型トラックを使った実証実験も行われる。BEV化にまだまだ課題がある大型車両なので、このユニットの優位性が確立されれば、カーボンニュートラル化はより現実的な目標になってくるのではないだろうか。実際に開発現場からは、大型車両と燃料電池は相性がいいというデータもある。また、大型車両はスペースに余裕があるので、大きな燃料電池を搭載できるという点でも優れているという。

しかも、このパワーユニットを企業向けに販売する計画もあり、他社の乗り物や重機などに搭載することで、他社のカーボンニュートラルをサポートすることもできる。このフレキシブルさが、世界イチのエンジンサプライヤーとしてのプライドの証と言えそうだ。なので、本体正面にある白い化粧プレートは供給先の要望に応じて色や文字などをオーダーできる方向で現在調整中とのこと。

ホンダは、このパワーユニットの普及はもちろん、水素ステーションを運営する企業と協力し、更なるステーション拡充に対するサポートや、JAXAと連携して宇宙産業へも進出する計画がある。

Yahoo!ニュースから抜粋

 

 

 

 

“クルマや重機にも使え、発電機としても使える。ホンダ汎用性のある水素燃料電池を3分の1のコストで” への1件の返信

  1. コストが3分の1で、出力が大きく、トラックや重機に使えて、汎用発電機としても使える水素燃料電池製品とのこと。
    とても興味を惹かれます。
    コスト3分の1とのことで、どの程度の価格になるのか、色々調べましたが、判明しませんでして。現在の水素燃料電池は大変高額とのことなので、大変興味があります。
    どなたかご存知の方がおられましたら、ぜひ教えてくださいませ。
    SCN:伊東

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