核融合でエネルギー純増の米政府発表に思う

SCN:伊東
核融合でエネルギー純増実現というニュースはとてつもない朗報で、しかも米政府が直々に行なったことが注目されます。

核融合実験イメージ

「核」という言葉にアレルギーを持っている人達には何を言っても無駄なので、ご理解頂ける人には是非聞いてほしいのですが、核爆弾や原発の核分裂と今回話題の核融合は、同じ「核」という単語を使いながらまったくの別物だと言うことをまず認識してください。

核融合は核分裂と違い、主反応で放射能で汚染されたり核廃棄物が出たりしません。核融合自体は理論上のものだけでなく、水爆で実際に地上で起こすことが可能な反応で、核分裂より桁違いのエネルギーを得られることが実証されています。

ただ、持続的にゆっくりした核融合反応でエネルギーを取り出す技術が確立されておらず、世界中の最高の研究機関で研究されてきました。核融合を起こすには最初に莫大なエネルギーが必要です(水爆はその初期核融合反応エネルギーに核爆弾を使っているので、放射能を撒き散らしてしまい、核融合もダーティーなイメージを持たれてしまいました)

核融合は「地上に太陽を実現する」として、私が学生だった頃から、既に40〜50年前から議論されており、核融合で加えたエネルギーより出力されたエネルギーが多くなれば世界が変わる。さらに持続・安定的にエネルギーを取り出せるようになれば人類はエネルギー問題から解放される夢の技術とまで言われてきました。

その第一歩が今回実現したと言うのです。

まだまだ実用化には紆余曲折があり時間も数十年という歳月が必要だと思うのですが、人類にとって大きな、大きな一歩が実現されたと思います。私くし的には人が月面に降り立った時より重大な事柄だと思っています。
核融合発電が実現すれば現在最大の問題となっているカーボンニュートラルとエネルギー問題が一気に解決するでしょう。化石燃料での発電と異なりクリーンで燃料はどこにでも存在する水素や重水素を使います。仕組み的にも暴走することがなく、原発と比べてとても安全なものとなります。

日本の核融合実験炉JT-60SA:茨城県那珂市

じゃ、今やっているカーボンニュートラル活動が無駄かと言えばそうでもありません。核融合発電自体は大変大掛かりな施設が必要で、そこで発生する莫大なエネルギーで発電するのですが、現在化石燃料を使っているものを、その電気で代替することが必要となります。つまりEV自動車や水素(発電と同時に製造する)自動車が必要となるのです。加えて、化石燃料を使った工場の動力・燃焼施設も二酸化炭素を排出しない水素に置き換える必要もあるでしょう。
つまり現在のカーボンニュートラル活動の延長線上に核融合発電による完全CO2フリーの世界か広がっているのです。

一つ心配なのは、願わくば世界中の人類全員に恩恵が行き渡ってほしいのですが、今回のアメリカでの実験やフランスでの国際熱核融合実験炉(ITER)についても一部の先進国だけが参加し、その高度な技術を独占してしまうのではないかということです。

(ITER)フランス核融合炉実験場:参加国:日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インド

エネルギーフリーで環境問題を解決する素晴らしい技術が、格差を生み、先進国と途上国の分断を招くのではないかと心配せずにはいられません。
それでも将来の子供達の為にも、環境破壊や地球温暖化の憂いだけ残すのでなく、希望としての核融合発電を私どもが生きている内に是非実現してほしいものです。

SCN:伊東

 

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