100%ミドリムシ燃料は軽油と同等、ユーグレナといすゞが確認

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ユーグレナといすゞ自動車は、ユーグレナが試作した100%バイオ由来のディーゼル燃料が石油由来の軽油と同等の性能を持つことを確認した。原料である微細藻類の「ミドリムシ(学名:ユーグレナ)」は、生産面で従来のバイオ燃料の原料に比べ優位とされる。100%ミドリムシ由来のディーゼル燃料を安定的に製造できるようになれば、バイオ燃料における供給問題への貢献が期待される。

100%バイオ由来のディーゼル燃料(左)と原料である微細藻類のミドリムシ(右)

いすゞは、ミドリムシから抽出した油脂のみを原料とするバイオディーゼル燃料を使い、同社製エンジンで性能試験を実施した。エンジンの回転速度に対する軸出力と軸トルクをそれぞれ調べ、これらが石油由来の軽油を使った場合と同等の性能を持つことを確認したとしている。

エンジン性能試験の結果

ミドリムシは培養に農地を必要としないため、植物よりも生産効率が高いのが特徴だ。現在、バイオディーゼル燃料には主に使用済み食用油が使われており、その原料は植物である。バイオ燃料への需要は世界規模で高まっており、使用済み食用油は価格高騰や将来的な供給不足といった問題が懸念されている。両社は、100%ミドリムシ由来の燃料を製造することで、将来的なエネルギーの安定供給に向けた解決策になるとしている。

ミドリムシは成長過程で光合成によって二酸化炭素(CO2)を吸収する。トラックなど商用車で普及するディーゼルエンジンに100%ミドリムシ由来の燃料を適用できれば、カーボンニュートラル(炭素中立)への貢献が期待できる。両社は2014年から、ミドリムシを原料とするバイオディーゼル燃料の実用化を目指し、共同研究などの取り組みを進めている。

日経テック


これがいわゆるカーボンニュートラルです。バイオ燃料は様々な種類、製造方法がありますが、基本的にガソリンや軽油、航空燃料とまったく変わらず CO2を排出します。ただ出生が違うというだけです。

簡単に言うと、バイオ燃料はCO2を吸収して育った植物から生産されており、その植物から生成されたものを燃焼させて排出されるCO2はプラマイゼロなのだ!という理論なのです。

それがカーボンニュートラルでありカーボンフリー(CO2をゼロにする)とは違います。混同されて使われていますが、大まかな説明は以下となると思います。

・カーボンニュートラル → 総体(地球全体)でCO2を増やさない。
・カーボンフリー → 総体(地球全体)からCO2を減らしCO2ゼロを目指す。

SCN副代表 伊東

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