鹿追町、古河電工、家畜ふん尿からLPガス

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北海道鹿追町と古河電気工業は家畜ふん尿を使ったカーボンニュートラルな液化石油ガス(LPガス)を製造する実証実験を始める。町で出る家畜ふん尿由来の二酸化炭素(CO2)とメタンを使う。新たにCO2を排出しない「グリーンLPガス」として、2030年度以降の一般家庭などへの供給を目指す。

バイオガスプラントとは
 バイオガスプラントは家畜ふん尿や生ゴミといった再生可能エネルギーの一つであるバイオマスを嫌気性の微生物が分解することで発生するバイオガスを製造・収集する施設です。バイオガスはメタン60%、二酸化炭素40%と水分、わずかな硫化水素を含んでいます。バイオガスは燃料として利用し、電気や温水、蒸気などの熱エネルギーを施設内で使用する他に、余剰分の電力は売電しています。

国内最大規模となる2基の資源循環型バイオガスプラント

鹿追町環境保全センター 中鹿追施設

【ポイント1】100kWと190kWのコージェネ発電機2基により発電、電気はプラント内で利用する他、余った電力は売電しています。

【ポイント2】メタン発酵後の消化液は良質な有機質肥料として町内の畑や牧草地に散布されます。

【ポイント3】ガス精製:バイオガスは精製圧縮することで、メタンガス用の燃焼機器が使用可能になり、用途が大きく広がります。鹿追町では温室ハウス、バイオマス自動車、一般ガス器具での使用を通して調査・研究を行っています。

【ポイント4】熱利用:ガス発電機のコージェネレーション及びガス温水ボイラーから得られた熱エネルギーを活用して冬期間の作物栽培試験やチョウザメの養殖を実施しています。

【ポイント5】水素サプライチェーン実証事業:バイオガスに含まれるメタンから水素を製造し、貯蔵、輸送、供給までを含めた実証事業に協力しています

鹿追町環境保全センター 瓜幕施設

【ポイント1】250kWのコージェネ発電機4基により発電、電気はプラント内で利用する他、余った電力は売電しています。

【ポイント2】メタン発酵後の消化液は良質な有機質肥料として町内の畑や牧草地に散布されます。

【ポイント3】施設規模:町内1基目の集中型バイオガスプラント(中鹿追施設)に比べて2.5倍以上の処理能力と発電能力となり、1基目での経験を活かした各種改良が施されています。

【ポイント4】熱利用:ガス発電機のコージェネレーションから得られた熱エネルギーを活用して水耕栽培試験を行っています。

バイオガスプラントの特徴

家畜ふん尿や生ごみなどのバイオマスをエネルギーとして活用
家畜ふん尿や生ごみといったバイオマスを発酵させ、発生するガス(バイオガス)を利用して電気や熱エネルギーをつくります。
温室効果ガス削減
 カーボンニュートラルであるバイオガスを化石燃料の代替として使用することでCO2をはじめとする温室効果ガスが削減されます。

カーボンニュートラルとは

バイオガスは化石燃料とは異なり、燃やしても大気中の二酸化炭素は増加しません。これはカーボンニュートラルという考え方で、牛ふん尿などのバイオマス資源に含まれる炭素は、もともと大気中の二酸化炭素を植物が呼吸・吸収したものなので、燃焼等により二酸化炭素が発生しても、大気中の二酸化炭素の量は変わらないのです

肥料製造
 嫌気性発酵後の消化液は高品質の有機質肥料であり。年間数万tが酪農家、耕種農家のほ場に還元され、鹿追町の生産基盤を支えています。
鹿追町環境保全センター 中鹿追施設の特徴

  1. 国内有数の家畜ふん尿処理施設
    一日の計画処理量は94.8tで、成牛換算で1,300頭が排出するふん尿量に相当します。
  2. エネルギー製造
    一日の発電量は約6,000kWh/日であり、一般家庭600戸分の電気使用量に相当します。
    3.熱の有効活用
    発電した際に得られる熱エネルギーを活用して、サツマイモ栽培、チョウザメの養殖、マンゴーの栽培を行っています

日経新聞

 

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